かめちゃんのブログ

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詩羽のいる街

「詩羽のいる街」(山本弘 著)の電子書籍版を読了しました。
詩羽という女性が街の人々を幸せにする物語です。
どうやって街の人を幸せにするかというのが本作の肝ですね。
一見SFぽくないけど、作品のアイディアは間違いなくSFです。

詩羽の持っている特殊な能力は、ネタバレになるので書きませんが。
以前、コンビニで廃棄される弁当が大量にあるというニュースを見た時に、詩羽のような能力を持った人(会社)がいれば、みんなが幸せになると思っていました。

本作は4話構成で、各話で不幸な人が詩羽に出会い幸せになって行きます。
第1話 売れない漫画家志望の青年
第2話 ネット炎上が原因で自殺しようとする中二の少女
第3話 ネットで荒らしを繰り返す大学教授
第4話 詩羽に興味を持った編集者(?)が、街でリアル脱出ゲームのようなイベントに参加しながら詩羽を探す話

第2話に登場する少女は、はるかぜちゃん(春名風花さん)をモデルにしているように思えました。
全体的にはるかぜちゃんのために書かれたようなSFですね。
直木賞を受賞しても納得できる作品で、もっと早く読まなかった事を後悔しています。