かめちゃんのブログ

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書籍『「バカ」の研究』

2020年6月25日発売『「バカ」の研究』(亜紀書房、著者ジャン゠フランソワ・マルミオン編) 紙の書籍を購入しました。

フランスで8万部のベストセラー! 世界20カ国で翻訳決定!

職場で、家庭で、社会で、ネットで、人はなぜバカなことをするのか?
ダニエル・カーネマン、ダン・アリエリー、アントニオ・ダマシオ、ジャン゠クロード・カリエールなど、世界の知性が結集し、頭脳を駆使して「バカ」という謎に迫る!?

「バカはなぜ自分を賢いと思いこむのか」
「感情的な人間はバカなのか」
「バカみたいに食べすぎてしまうのはどうして?」
「マスコミの情報操作に釣られるバカ」
「民主主義は合理性で成り立っているのか」etc...

行動経済学認知心理学情報科学、哲学、人類学ほか、多角的な視点から、人間のバカげた行動を徹底解析!

この本は、今年の収穫の1冊でみなさんにオススメします。

本書は、24人の一流科学者、名門大学教授、スペシャリスト達が、専門知識を駆使して「バカ」を考察した本です。

著者はフランスの心理学雑誌の編集長で、「バカ」をテーマに専門家に執筆依頼して、全て書き下ろしの記事だそうです。

 

本書でいう「バカ」とは、勉強ができないとかIQが低い人ではなくて、フェイクニュースを疑わずに信じたり、何でも誰かのせいだと思う人(陰謀論者)のことだそうです。

専門家が専門分野を駆使してバカを解説していますが、論文のような硬い文書ではなくて、一般向けの柔らかい文章なので読みやすいですね。

 

「知性が高いバカ」の章では、知性が高い人がバカな行動をするのは何故かを考察しています。

知性には「アルゴリズム的知性」と「合理的知性」があり、バカな行動は「合理的知性」が低いから起こすそうです。

2つの知性の詳細は本書を読んで下さい。

 

バカな行動をした事例や著名人が多数紹介されています。

スティーブ・ジョブズは、「天才的な視点を持ちながら、信念のせいで盲人になった人」だそうです。

盲人とは癌に冒された時に、近代医療を拒否して代替医療にハマったことを指しています。

 

コラムのイスラエルの判事の話は興味深いですね。

1000回の判決を分析すると、判事が満腹かお腹が空いているかで、仮釈放を認める判決が違うそうです。

満腹の方が仮釈放を認める傾向。

この本はネタの宝庫ですね。

 

「バカの理論」の章は、南カリフォルニア大学の哲学教授へのインタビューですが、日本のことが書かれています。

「成人におけるバカの割合はどれくらいですか?」の質問で、回答は国、地域、環境などで異なるそうですが、「日本はたいていの国に比べて少ない」そうです。

素直に喜んで良いのでしょうか?

 

巻末に原注があり、元の論文等が紹介されています。

興味深い内容の論文を調べたい時に参考になりますね。

 

私の本書の感想は、「自分もバカだと思って、バカの振り見て我が振り直せ」ですね。

 

【リンク】

亜紀書房 - 「バカ」の研究
https://www.akishobo.com/book/detail.html?id=956&kw=%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%81%E3%82%B9

出版社 本書の紹介ページ

 

 

(追記 2020年7月4日)

書名を微妙に間違えていたので修正しました。

誤:「バカの研究」

正:「バカ」の研究

 

「バカげた決定を回避するには?」の章で、1990年代に大韓航空で事故が多発した分析と、事故を減らした対策を紹介しています。

驚くべき原因と対策で、他の組織でも参考になると思いますね。

学校の運動部でも参考になりそうです。