かめちゃんのブログ

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書籍「データは騙る──改竄・捏造・不正を見抜く統計学」

2019年2月20日発売 「データは騙る──改竄・捏造・不正を見抜く統計学」(早川書房、ゲアリー・スミス著、原書名 STANDARD DEVIATIONS)の電子書籍版を購入しました。

統計経済学のエキスパートが
さまざまな数値から巧妙に導き出されるトリックを明かし、
ダマされないための極意を伝授。
ビジネス、研究、日常生活の各場面で役立つ楽しい統計学入門。

政府・マスコミ・論文などで発表された統計学を使った分析の間違いを、どこが間違っていて注意すべき点についた書かれた書籍です。

アメリカを中心とした膨大な数の実例を取り上げているのが、本書の特徴です。

今年読んだ書籍の中で一番面白かったですね。

 

以下、興味深い話題の一部を紹介します。

  • サッカーワールドカップの勝敗予想をするタコのカラクリについて考察しています。そのカラクリについては本書を読んで下さいですが、ヒントはタコは非常に頭の良い生物だそうです。
  • モンティ・ホール問題がコラムで最初に紹介された時に、国中で議論が起きたそうです。多くの大学教授から間違っていると手紙が来たそうです。ジョージ・メイソン大学の数学教授の間違いを指摘した手紙を掲載しています。実験の結果正しい事が証明されて、教授から「数学者として恥ずかしい」と謝罪の手紙が届いたそうです。騒動の顛末は本書を読んで下さい。
  • 合計したデータを分解した時に、逆の結果になる現象「シンプソンのパラドックス」について、事例を示して何故そうなるか解説しています。カリフォルニア大学バークレー校で女性の入学希望者を差別していると問題になった例などです。
  • 「生存者バイアス」で間違えた事例ついて紹介しています。動物病院で9階以上から落ちた猫の生存率が、それより低い階から落ちた猫より高い不思議な現象?とか。第二次世界大戦で戦闘機の撃墜減少で、帰還した機体の損傷の激しい部分の装甲を強化しようとした話とか。労働者の賃金の推移を分析する時などの後ろ向き(過去に遡る)研究には「生存者バイアス」が影響するので注意が必要だそうです。

 

 

【リンク】

データは騙る──改竄・捏造・不正を見抜く統計学 | 種類,単行本 | ハヤカワ・オンライン
http://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000014133/

出版社 本書の紹介ページ