本日(2016年6月10日)、2016年版「全国地震動予測地図」が公表されました。
日本全国の今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率の分布を示しています。
30年は長いので、1年以内に震度6以上の地震が起きる確率を計算してみます。
例題で、高知市の30年以内に73%を使います。
73%を30(年)で割って、1年の確率を求めるのは間違いです。
【計算】
前提条件:30年以内に地震が起こる確率は73%
1年以内に地震が起こる確率(ρ)を計算する。
30年間地震が起きない確率は、(1-ρ)^30
30年以内に少なくとも1回地震の起きる確率は、1-(1-ρ)^30=0.73
[式の変形]
(1-ρ)^30=1-0.73=0.27
[対数をとる]
log(1-ρ)^30=log0.27
※途中は省略。計算の詳細は『世の中の真実がわかる「確率」入門 偶然を味方につける数学的思考力』(小林道正 著、講談社ブルーバックス)を参照して下さい。
計算式:ρ = 1 - 10^(log0.27 /30)
関数電卓で計算すると、ρ=0.04271
【雑感】
ちなみに1ヶ月以内の確率は、計算式中の「/30」を「/(30*12)」で計算します。
他の確率の計算は、計算式中の「0.27」を「1-地震が起こる確率」で計算します。(例 85%なら、1-0.85で0.15にする)
予測を信じるか信じないかはあなた次第ですが、地震はいつでも起こり得ると思って備えるのが賢いのでしょうね。
【リンク】
http://www.jishin.go.jp/evaluation/seismic_hazard_map/shm_report/shm_report_2016/
『世の中の真実がわかる「確率」入門 偶然を味方につける数学的思考力』(小林道正):ブルーバックス|講談社BOOK倶楽部
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062579674
出版社 書籍紹介ページ
(宝くじ・世論調査・視聴率・ガチャなどの身近な確率についての疑問や、よくある間違いについて、分かりやすく解説した良書です。)