2017年01月17日発売『人工知能はいかにして強くなるのか? 対戦型AIで学ぶ基本のしくみ』(ブルーバックス、小野田博一 著)を購入しました。
対戦ゲーム用の人工知能が内部でどのように動いているのか、AIやプログラミングの知識のない人向けに解説した書籍です。
初心者向けの本ですが、基礎知識で回帰分析などの解説があるので、統計解析の知識がある人は理解が早いと思います。
解説してるゲームは、チェス、囲碁、チェッカー等です。
著者は国際通信チェス連盟(ICCF)のインターナショナル・マスターなので、チェスの解説が一番詳細ですね。
チェスルールの解説から始まって、チェスプログラムの黎明期から現在までの歴史を棋譜を示してAIの進化を解説しています。
囲碁はAlphaGoの解説です。
AlphaGoのアルゴリズム視点での棋風、世紀の対局と話題になった李世石 氏との対局をコンピュータ側の視点で解説しています。
※チェスと囲碁の棋譜は、専用ウェブページからテキストファイルがダウンロードできます。オンライン棋譜再生サイトのURLと再生方法、ローカルのアプリで使えるように棋譜としての保存方法が書かれています。
黎明期の弱いチェスプログラム(1952年TUROCHAMP)〜現在の人間越えチェスプログラム(2016年KOMODO)までの棋譜とAI進化を年代順に解説しているので、チェスプログラムの進化が分かりやすいです。
紙の本を購入して内容が素晴らしかったので、電子書籍版も購入しました。
残念なのは本書では、コンピュータ将棋について全く書かれていない点ですね。
コンピュータ将棋プログラムの進化について、棋譜を示してAIの進化を解説した本を誰かに書いて欲しいですね。
森田将棋ぐらいからPonanzaまでの、プログラムの進化と棋譜の解説が読みたいですね。
【リンク】
『人工知能はいかにして強くなるのか? 対戦型AIで学ぶ基本のしくみ』(小野田博一):ブルーバックス|講談社BOOK倶楽部
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784065020012
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